本読みました。「メディアの仕組み」

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わかりやすいニュース解説で定評のある池上彰さんと、Twitterをはじめ、インターネットを利用した新しいメディアに精通している津田大介さんとの共著。対談形式で、テレビや新聞、ネットの仕組みについて解説している本です。

池上彰さんがニュースを解説する際、何に心がけているのか、NHKアナウンサー時代から培って来たものや、フリーになってからの経験をふまえながら、明かしています。どうすれば「わかりやすいか」「(視聴者や読者は)何を知りたいのか、求めているのか」を徹底的に考え抜いた末の、いまの解説の形なのだなぁ、とあらためて納得した次第です。

また、原発問題に関して、「マスメディアは情報を隠蔽している」といったことについての真偽、各局が特番を組む中、「テレ東の一人勝ち」と騒がれた昨年の池上彰さんの選挙特番のことについても語られており、興味深く読むことができました。

個人的には、仕事柄、「新聞の仕組み」の章が面白かったです。「なぜ新聞が読まれなくなったのか」について、津田さんの「『前提』が抜けた巨大な連載コンテンツ」という言葉には、「はっ」とさせられました。また、新聞社のデジタル化の取り組みについては、私もこれからの「新聞社と販売店のあり方」みたいなことを頭で考えてはいたのですが、それとは違った「これからの形」には、目から鱗、なるほどなーっと感心しました。

対談形式なので、あっという間に読めちゃいます。内容も面白かった。しかも、ポイントとなる文章には、あらかじめマーカーがひいてあるので、わかりやすい本の作りになっています。
ちなみに、今回、電子書籍ではなく紙の本で読みましたが、やっぱり紙のほうが頭に入ってきやすい気がしました(笑)
さらにさらに、「店頭に並ぶ初版には電子書籍データがついている」ということで、久々にamazonではなく、本屋さんに行って来たのですが、たまの本屋さん、やっぱりいいですね!目的の本を探して買うのはamazonのほうが楽ですが、本屋さんは、知らない本に出会ったりする楽しみがありますね。

テレビ、新聞などの既存のメディアと、ネットの新メディア、これらは対立するものではなく、それぞれの役割をより強め補完し合いながらこれからも両立していくもの。自分も、それぞれのメディアのよいところ、足りないところを見極めながら、効果的に情報を拡散し、街の活性化などに利用できたらなーと改めて思ったのでした。