40分ピッツァを待たされて顧客満足について思いを馳せた。

昨日、てかもう一昨日か。都内でひとりでPizzeriaに入った時の出来事。

人気店らしく、行列。ま、ちょっと待った後、一人ということもあり、テーブルに案内された。
行列の間にメニューが配られたので、席に座った直後にランチメニューを注文した。

ほどなく、前菜到着。が、その後Pizzaが待てど暮らせど出てこない。
ま、昼休みには十分すぎるほど余裕もあったし、消化していない本やメルマガなどもたくさんあったため、おとなしく待っていました。混雑しているから遅れてるのかなー、ぐらいの気持ちでした。

「やっぱおかしいよね」と思ったのは、後から来たはずの隣のおねいさんのもとにPizzaが運ばれ、食べ終わった頃。時計を見れば、40分ほど経っていました。腹も減り、若干イライラしていましたが、そこは好青年の私。お店の方に「あと何分くらいかかりますか?」と丁寧に聞きました。
店員さんは驚いた顔で注文を確認し、「お時間大丈夫でしょうか?申し訳ございません。注文が漏れていたようで、今すぐ焼きます。4分ほどお待ちいただけませんでしょうか」と謝罪してきました。

怒っても良かったのですが、怒るだけ損ですので、優しく「ええ、いいですよ。時間もあまりないので、食後のデザートやドリンクも一緒に運んでください」と応えました。この時の私の安らかな笑みは、店員さんにはきっと仏のように映っていたに違いありません。

で、食べてお会計。この時もまた、すみませんでした。と深々と頭を下げていました。

うん。

いいんですよ。対応としては何にも間違っていないですよ。

だがしかしですね。僕ならこうしたと思うんですよ。

・デザートをセットメニューのものではなく、ケーキ等にグレードアップして提供する。(ランチメニューには、数百円上乗せでグレードアップできるようになっていた)または、
・お会計の時に、いくらかディスカウントする。または、
・お会計の時に、次回使えるクーポン券などを渡す。

いずれも店にとっては数百円の出費で済むと思います。

ここで唐突に「顧客満足」の話に飛びますが、私は「顧客満足」ってのは、必ずしも「110点」とは思わないんですね。「顧客満足」ってのは、「お客様が期待している点数+α」だと思うんですよ。

今回の場合、「注文を忘れ、待たせてしまった」という大幅な減点があったわけです。仮に待たせたことで「60点」減点としましょう。すると、待たされた私は、この店での体験に対して、「40点」と評価することになります。

顧客満足度が「110点」だとすれば、到底顧客満足には到達することはできません。70点稼ぐには、並大抵のことではありませんよ。まあ、オーダーをとってくれたかわいい女の子がデートしてくれたら、70点くらい、すぐにあげちゃいますけど。

しかし、ここで上記のような数百円の出費をしたらどうでしょうか。70点はあげられなくても、5点くらいはあげられるのではないでしょうか。待たされた私は「まぁ、40点だな」という気持ちから、+αの5点もらったことで、ずいぶんと顧客満足度はあがったと思います。「待たされた」という不快な気持ちはどこかに飛び、「こんなに真摯に対応してくれたんだ」と気持ちよくなり、また来ようと思うでしょう。友達にもこの体験を話すかもしれません。

こうしたように、失敗をした時にこそ、少しの+αで大きくファンを獲得するチャンスなのに、どうして多くの飲食店は、こうした対応を柔軟にすることができないのでしょうか。(「『多くの』って言っているけど、大体の飲食店はそうしたちょっとしたサービスをしているよ」って方は、きっと私より数多くの良質な飲食店をご存知なのだと思います。私自身はそういったホスピタリティー溢れる対応を受けた経験は、数えるほどしかないもので。。。ってか、行くところが安いところが多いからだな、きっと)

対応してくれた方がボンクラだったかというと、決してそうではないと思います。きっと彼には、そのような事態に想定した時、自らの裁量でそうした対応をする権限が与えられておらず、そうした判断をする責任者も不在だったのでしょう。もし、「万が一注文が漏れ、お客様を待たせてしまった場合、お客様の不満を解消するため、ケーキへのアップグレード、またはクーポン券を渡しても良い」といったルールを定め、周知徹底することで、たとえ責任者の確認をとらずとも、お客様への対応をすることができるはずです。飲食店で注文漏れることなんて、「飲食店あるある」でしょうから、その事態を想定した対応マニュアルは整備しておいて損はないと思います。

このようなスタッフへ裁量を与えることに関しては、月並みだけどディズニーは素晴らしいなと思う次第・・・。

つまりこんな長々と書いて何が言いたいのかというと、帰り際に見かけたショウウィンドゥのケーキがたまらなく美味しそうだった、ってことです。